文章の書き方を何に学ぶか
学ぶは真似る。
名文と呼ばれる文章に多く触れれば触れるほど、
文章力は向上していくだろう。
読書家に名文家が多いのは言わずと知れた事実である。
中でも一番手取り早く、
文章の持つ力を感じ取ることができるのは、
コピーライターの文章だ。
しかしコピーなら何でもいいと言うわけではない。
現代においてはネット上にコピーが溢れかえり、
下品で学ぶところの何もないコピーもたくさんある。
そうした玉石混交のなかで、
では、どのようにして優れたコピーに出会うべきなのだろうか。
今回は、効率的に素敵なコピーと出会える、
オススメ本を紹介する。
『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方』
内容(「BOOK」データベースより)
「メガネは、涙をながせません」(金鳳堂)、「たばこを持つ手は、子供の顔の高さだった。」(日本たばこ産業)、「死ぬのが恐いから飼わないなんて、言わないで欲しい。」(日本ペットフード)―。広告コピーは、商品・サービス・企業をわかりやすく気持ちよく表現する、現代の高感度文章。ロングセラー『名作コピー読本』の著者が、読み手を惹きつけ、思いが伝わる文章の書き方を指南する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鈴木/康之
コピーライター。1937年生まれ。40年にわたって広告界でコピーライターとして活躍。「広告批評」主宰の広告学校では開講以来ドリルを担当、若手ライターたちにコピーの技法を指導する。広告制作会社タイム代表。
「読ませる」力
本のタイトルにもあるように、
優れたコピーには、
「読ませる」力がある。
そもそもコピーとは、
商品に興味を持ってもらい、買ってもらうための文章だ。
当然、目にとまるよう作られており、
印象に残るような文体を駆使している。
そして究極的に無駄を省く。
この「無駄を省く」というのはコピーライターだけでなく、
文章を書く全ての職業に当てはまる必須能力である。
ではいかに無駄を削ぎ落としていくのか。
著者によると、
まずはたくさん書く。
書いて書いて書きまくる、のだそうだ。
そしてそこから推敲にはいる。
元の文章量が多ければ多いほど、
情報の取捨選択をしなければならなくなる。
そうすることによって、
何を伝えたいのか。
自然と答えにたどり着くのだ。
プロがプロに学ぶ課程
この本の著者は、プロのコピーライターである。
そして当然この本の中に紹介されている幾多ものコピーもプロのコピーライターが書いたものだ。
著者は一つ一つコピーを取り上げ、
一つ一つ分析をしていく。
そして解説する。
つまりこの本では、
プロがプロに学ぶ過程を知ることができる。
すなわち読者は「学ぶは真似る」を真似る人となる。
効率的に学べるワケはそこにある。