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『しんせかい』で芥川賞受賞!山下澄人の小説の魅力。町田康が絶賛したあの作品も紹介。

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山下澄人とは?

山下 澄人(やました すみと、1966年1月25日 – )は、日本の劇作家、小説家、俳優。

富良野塾生としても知られる。

劇作家としても活躍する彼。

劇作家兼小説家の強みが活かされた小説の世界は、

独特でありかつ共感を生み、高い評価を受けている。

 

劇作家兼小説家の強みとは?

 

『しんせかい』

内容(「BOOK」データベースより)

19歳の山下スミトは演劇塾で学ぶため、船に乗って北を目指す。辿り着いた先の“谷”では、俳優や脚本家志望の若者たちが自給自足の共同生活を営んでいた。苛酷な肉体労働、“先生”との軋轢、地元の女性と同期の間で揺れ動く感情―。思い出すことの痛みと向き合い書かれた表題作のほか、入塾試験前夜の不穏な内面を映し出す短篇を収録。

 

小説家としてその名を轟かせた芥川賞受賞作。

倉本聡の「富良野塾」生としての生活を描いた私小説的作品。

芝居を学びながら農業に励み、そこで様々な人間に出会う。

閉鎖的な世界ながら、社会を描き出す意欲的作品だ。

 

主人公のスミトが感じるのは、

芝居を学びにきたのにも関わらず、農業をさせられる懐疑。

疑問を抱えながらも人間関係の中でたしかな成長があり、様々な気づきがある。

 

読み終わってから『しんせかい』という題を考えると、

新たな世界への突入であり、新たな世界への出発である、

その両方を富良野塾が担っていることに気付く。





『鳥の会議』

芥川賞を受賞した『しんせいかい』だけで山下澄人の魅力を語るのはもったいない。

例えばこの作品。

『鳥の会議』

内容(「BOOK」データベースより)

ぼくと神永、三上、長田はいつも一緒だ。ぼくがまさしにどつかれて左目を腫らしたと知ると、神永たちは仕返しにゲーセンに向かい、教師や先輩からの理不尽には暴力で反抗する毎日。ある晩、酔った親父の乱暴にカッとなった神永は、台所に二本あった包丁を握る。「お前にやられるなら本望や」そう言い放つ親父を、神永は刺すのだが…。痛みと苦味のなかで輝く少年たちの群像。

この本が単行本として出た時から、

町田康が絶賛したという話を耳にしていた。

それを聞いて読まずにはいられなかった。

読んでみてまず、

語り手の表現(視点)が自由な文体で知られる

山下澄人の文章は、

この本の登場人物たち、

まだ大人になっていない子どもたちを表すのにピッタリだと思った。

それはまだ確立されていない自己を、友達など、

他者と相互的に把握していくことによって、

他者の目を借りて己を見ることによって、

浮かび上がってくるアイデンティティが存在するからだ。

そうした過程を経て人間は、大人になるのかもしれない。

いや、、なってしまうのかもしれない。

そんなことを初めて読んだ時、考えさせられた。




最近、この『鳥の会議』が文庫化された。

解説は、町田康である。

帯にはこうある。

「私は 魂が 振れた」

町田康がこの小説をどう読んだのか、気になった。

解説を読むだけに買った。

でも手にしてみると、小説を読み返したくなった。

またあの未完成な自己たちを味わいたくなった。

やはりそこには、補完的に存在している子どもたちの美しさがあった。








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