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【書評】漫画化もされロングセラーの『君たちはどう生きるか』著:吉野源三郎。宮崎駿が映画アニメを制作。

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『君たちはどう生きるか』吉野源三郎

内容(「BOOK」データベースより)

著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。

 

今、最も話題の書といっても過言ではない『君たちはどう生きるか』。

この本は初出1937年に新潮社から出版された。

ではどうしてそんな古い本が、今になってこれほどまでに話題になっているのか。

まずは、漫画化されたことが理由の一つだ。

 

 『漫画 君たちはどう生きるか』羽賀翔一

漫画化に乗り出したのは、羽賀翔一。

 




日本アニメ界の巨匠・宮崎駿監督が映画制作を再開した。

そしてその作品の題材になっているのが、

何を隠そうこの『君たちはどう生きるか』なのだ。

新海誠監督の『君の名は。』が空前の大ヒットを記録し、

新海誠を次世代の宮崎駿と語る人も多い。

さて、読んでみた。

読み始めると止まらない。

古さを感じさせない人間の永遠のテーマともいうべきことが

コペル君の経験と、叔父がコペル君に語る「ノート」から構成されている。

コペル君はこどもだが、大人が読んでこそ学ぶべきことがたくさん詰まっている。


 

コペルニクスの地動説

コペルニクス以前まで

人々は地球の周りを太陽が回っているのだと考えていた。

これは、地球を中心とした考え方だという。

つまり自分たち「人」が宇宙の中心だという考えだ。

ここには教訓がある。

人間が常に自分を中心に考えているということの表れなのだろう。

コペルニクスは、思い切って、

自分を中心とせず考えた。

そして真実を得たのだ。

しかしこの説が唱えはじめられた当時は、

「危険思想」だと思われたのだという。

書物は焼かれ、迫害もあった。

人が思い切り真実を語るときには、

いつでも反論があり、被害を被る。

本当のことを知るというのは、辛いことなのかもしれない。

しかしその末に、確かな未来がある。

コペルニクスのような「思い切り」を大切にしなければならない。

 

さすがは歴史的名著といわれることだけあって、

読まずにいるのは残念だと思える読後感であった。

 





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  1. 八木彬夫 より:

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    著者について
    1960年生まれ。ビートル・マニアとしては第二世代に属する。著者自身が様々な楽器を演奏し、現在も音楽活動を続けている。これらの知識と経験をもとに、まとめた本書は、小説投稿サイトにおいて、合計200,000PVの閲覧がされている。

    ブログ:http://beatles-analyze.blog.jp/

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