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BRUTUS(ブルータス)『危険な読書』からオススメ本を紹介。前回は筒井康隆。今回の危険な作家は?

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BRUTUS『危険な読書』

以前このブログでも紹介した

ブルータスの『危険な読書』。

2018年1/1・15合併版で、

同じ名前の『危険な読書』が発売された。

内容紹介

薬はおろか毒にもならない本を読むぐらいなら、
人生を変えてしまう強烈な一冊に出会いたい。

生き方を問う政治的読書のススメから、人々の小さな声を集めた怒りの文学、
神話や伝承から紐解く性の物語、危ない作家&出版社……ほか。

今年話題になった本やその著者を招き、ヒリヒリするような読書体験を届けます。

読んだら忘れられない、危ない漫画を集めたブックインブック付き。

 

 

前回「危険な作家」として特集を組まれたのは、

筒井康隆。

そして、今回の「危険な作家」は・・・

町田康

町田康は、もともとバンドマンだ。

パンクロックバンド「INU」は、

日本のパンクシーンにとって忘れてはならない伝説的なバンドである。

このバンドの前進となったのが、

「腐れおめこ」というバンド。

町田康は、INU時代、「町田町蔵」という名前で活動していた。

「ふざけた感じを出したくて」と彼は語る。

町田文学を読んだことのある人ならわかるだろうが、

小説においてもこの精神は受け継がれている。

ハッピーなことばかり書いていては、つまらない。

だからこそ、小説にはひどいことをかく。

登場人物を苦しめる。

 

独読な文体で、小説の世界を「ふざけ」させる彼は、

「(作家は)バチが当たって当然」だと言う。

なぜ、音楽、小説、そして時には俳優として。

この異なる分野で、

彼は自身の精神を徹底できているのか。

「わたしが歌い、演じ、書くことはみな同じなんです。みなわたしにとっては音楽なんです」

この言葉にすべてが詰まっている。

最後に彼はこう語っている。

 

「作家って、そもそも危険でなければ存在する価値がないんやと思います」

 

町田康・新刊『生の肯定』

内容紹介

生きよう。余の旅が終わる。

この世は地獄。それでも、生の方へ――
町田文学の最高峰「どつぼ超然」ここに完結!

世界を睥睨し超然と生きるはずだった。
数多の苦難に襲われ、死に場所を求めて彷徨った。
余はいま、人々の温もりの中で生きようとしている。
普通の人生を求めて――『どつぼ超然』(2010)、
『この世のメドレー』(2012)につづく、
圧巻のシリーズ完結編。

 

それではここから、『危険な読書』で紹介されている

危険な本を紹介していく。




 

『さかしま』著:J・K・ユイスマンス、訳:澁澤龍彦

内容紹介

三島由紀夫をして“デカダンスの「聖書」”と言わしめた幻の名作が待望の文庫化。ひとつの部屋に閉じこもり、自らの趣味の小宇宙を築き上げた主人公デ・ゼッサントの数奇な生涯。澁澤龍彦が最も気に入っていた翻訳。

 

『抱擁家族』小島信夫

内容(「BOOK」データベースより)

妻の情事をきっかけに、家庭の崩壊は始まった。たて直しを計る健気な夫は、なす術もなく悲喜劇を繰り返し次第に自己を喪失する。無気味に音もなく解けて行く家庭の絆。現実に潜む危うさの暗示。時代を超え現代に迫る問題作、「抱擁家族」とは何か。第1回谷崎賞受賞。

 

『性食考』赤坂憲雄

内容(「BOOK」データベースより)

「食べちゃいたいほど、可愛い。」このあられもない愛の言葉は、“内なる野生”の呼び声なのか。食べる/交わる/殺すことに埋もれた不可思議な繋がりとは何なのか。近代を超え、人間の深淵に向かい、いのちの根源との遭遇をめざす、しなやかにして大胆な知の試み。

 

『森へ行きましょう』川上弘美

内容(「BOOK」データベースより)

1966年ひのえうまの同じ日に生まれた留津とルツ。「いつかは通る道」を見失った世代の女性たちのゆくてには無数の岐路があり、選択がなされる。選ぶ。判断する。突き進む。後悔する。また選ぶ。進学、就職、仕事か結婚か、子供を生むか…そのとき、選んだ道のすぐそばを歩いているのは、誰なのか。少女から50歳を迎えるまでの恋愛と結婚が、ふたりの人生にもたらしたものとは、はたして―日経新聞夕刊連載、待望の単行本化。

 

 『人間を信じる』吉野源三郎

内容(「BOOK」データベースより)

人間への信頼には危険が伴う。しかしこの賭けなしには人間の世界は死人のように冷えてゆくほかはない―。若い人に向けて語った人間論・人生論、八・一五を原点とした戦後民主主義論、そして平和への熱い思い、岩波書店編集者としての回想等、『君たちはどう生きるか』で知られる著者が遺した、今こそ味読したい諸論考を初めて文庫に集成。

 

『ガリバー旅行記』ソフィスト

内容(「BOOK」データベースより)

子供のころ誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたにちがいない。だが、おとなの目で原作を読むとき、そこにはおのずと別の世界が現出する。他をえぐり自らをえぐるスウィフト(1667‐1745)の筆鋒はほとんど諷刺の枠をつき破り、ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない。

 

『笑う月』安倍公房

内容(「BOOK」データベースより)

笑う月が追いかけてくる。直径1メートル半ほどの、オレンジ色の満月が、ただふわふわと追いかけてくる。夢のなかで周期的に訪れるこの笑う月は、ぼくにとって恐怖の極限のイメージなのだ―。交錯するユーモアとイロニー、鋭い洞察。夢という“意識下でつづっている創作ノート”は、安部文学生成の秘密を明かしてくれる。表題作ほか著者が生け捕りにした夢のスナップショット全17編。

 

『トランプ自伝 不動産王にビジネスを学ぶ』

内容(「BOOK」データベースより)

ドナルド・トランプは、1980年代に「トランプ・タワー」「トランプ・プラザ」などの大規模開発を次々に手掛け、「アメリカの不動産王」として名を馳せた。一代で巨万の富を築いたその成功の裏には、大胆な発想と緻密な計算、そして粘り強い交渉力があった。市当局や銀行との折衝、提携先やライバル企業との攻防などを生々しく描き、全米ミリオンセラーとなった初の著書。

 

『吉里吉里人』井上ひさし

内容紹介

ある六月上旬の早朝、上野発青森行急行「十和田3号」を一ノ関近くの赤壁で緊急停車させた男たちがいた。「あんだ旅券ば持って居だが」。実にこの日午前六時、東北の一寒村吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言したのだった。政治に、経済に、農業に医学に言語に……大国日本のかかえる問題を鮮やかに撃つおかしくも感動的な新国家。日本SF大賞、読売文学賞受賞作。

 

『愛と幻想のファシズム』村上龍

内容(「BOOK」データベースより)

激動する1990年、世界経済は恐慌へ突入。日本は未曽有の危機を迎えた。サバイバリスト鈴原冬二をカリスマとする政治結社「狩猟社」のもとには、日本を代表する学者、官僚、そしてテロリストが結集。人々は彼らをファシストと呼んだが…。これはかつてない規模で描かれた衝撃の政治経済小説である。

 

『マイ国家』星新一

内容(「BOOK」データベースより)

マイホームを“マイ国家”として独立宣言した男がいた。訪れた銀行外勤係は、不法侵入・スパイ容疑で、たちまち逮捕。犯罪か?狂気か?―世間の常識や通念を、新鮮奇抜な発想でくつがえし、一見平和な文明社会にひそむ恐怖と幻想を、冴えた皮肉とユーモアでとらえたショートショート31編。卓抜なアイディアとプロットを縦横に織りなして、夢の飛翔へと誘う魔法のカーペット。








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