町田康の新作小説『湖畔の愛』
2017年9月の表紙に、どどんと書かれた、
町田康『湖畔の愛』(200枚)の文字。
これは、と、買わずにいられなかった人も多いのではないだろうか。
中を開くと、こんな文言が。
ようこそ九界湖ホテルへ――。投宿する大学演劇研究会のエース二人は、愛を賭けて演芸対決の舞台に立つ。芸と笑いのニルバーナ!
町田康が「笑い」に直球の小説を書いたのだ!
町田康と筒井康隆
町田康と言えば、
デビュー作の『くっすん大黒』を
筒井康隆が絶賛したこと
(筒井康隆が審査員を務めたドゥマゴ文学賞受賞)
で一躍、小説家として脚光を浴びた。
町田康の読書歴は、
図書館に通い「あ行」から順に読んでいった
というエピソードがあるほど膨大なものであるが、
若い頃に熱中したのが筒井康隆の小説だったという。
今回の『湖畔の愛』には、そんな彼が愛した作家・筒井康隆の小説を感じさせる魅力がある。
ここ最近、新刊を立て続けにだしている町田康。
すでに日本文学界の第一人者であるが、
長編『ホサナ』の発表があったばかりであり、ここにきてまた勢いを増してきている。
『湖畔の愛』は、現在、新潮社のHPに冒頭部分が無料公開されているので、
まずはそこから読んでみるのもありかもしれない。