ニュース 小説 文学 知識

筒井康隆をナメるな! 慰安婦「少女像」に対するブラックユーモアで炎上。

投稿日:




筒井康隆とは?

誰もが知る日本の小説家。

BRUTUS『危険な読書』では、

最も危険な作家として取り上げられている。

詳しくはこちら↓

http://wp.me/p8xAeH-6h

筒井康隆はブラックユーモアを得意とする。

それは真実を知っているからこそ可能となる文学的で高等的なテクニックだ。

 

慰安婦「少女像」とは?

主に大韓民国に多数設置されている朝鮮人慰安婦の少女を模したとされる像。

今回の事の経緯は、

「少女像」が韓国・釜山の日本総領事館前に設置されたことへの対抗措置として一時帰国していた長嶺安政・駐韓大使が、韓国へ帰任したこと。

このことに対して、

筒井康隆は公式サイトでこう述べた。

「長嶺大使がまた韓国へ行く。慰安婦像を容認したことになってしまった。あの少女は可愛いから、皆で前まで行って射精し、ザーメンまみれにして来よう」

最高じゃん。

 

筒井康隆の発言への批判

まずは、韓国メディア。

「衝撃的な妄言」と非難している。

さらには朝鮮日報が、

「慰安婦:筒井康隆氏が衝撃妄言、少女像を性的に侮辱」といった記事を公開した。

また、この発言がTwitterに掲載されると、

「本気か」「信じられない」「下品」などのコメントが相次いだ。

これらの批判はどれも、

筒井康隆、文学、ブラックユーモアを理解できない残念な反応だ。

発言のレベルが違うんだよ。

ブラックユーモアとは?

そもそも筒井康隆が得意とするブラックユーモアとは何なのか。

それは「笑い」と「皮肉」の共存である。

どちらも非常に難しい。

「笑い」も「皮肉」も本来、高等的な技術があってなしうるものだ。

そしてそこには差別がある。

しかし差別という言葉をマイナスに捉えるのは、差別を差別のままにしてしまう危険がある。

同じくブラックユーモアを得意とした作家、中島らもは、

「笑い」とは「差別」である。

というような言葉を遺した。

人が笑う時のことを考えて欲しい。

例えば(面白いかは別にして)、

よく笑いのパターンとして使われるのが、

偉い人が転ぶ

なんてことが挙げられる。

「偉い人」と「転ぶ」ということのズレ。

このズレがあるからこそ笑えるのではないか。

そして差別とは、こうした「ズレ」のことではないか。

では、「笑い」(ここではブラックユーモア)を創り出すには何が必要か?

それは真実(基本)を知っているということだ。

真実(基本)を知っていなければ、何が「ズレ」かも分かるはずがない。




 

筒井康隆の真意

筒井康隆は朝日新聞の取材でこう発言している。

「あんなものは昔から書いています。ぼくの小説を読んでいない連中が言っているんでしょう。本当はちょっと『炎上』狙いというところもあったんです」

「ぼくは戦争前から生きている人間だから、韓国の人たちをどれだけ日本人がひどいめに遭わせたかよく知っています。韓国の人たちにどうこういう気持ちは何もない」

つまり真実、歴史、を知っているからこそ、そこにズレ(ブラックユーモア)を生み出すことができるのだ。

だからこそ、

筒井康隆を、

文学を、

ブラックユーモアを、

知らずして、

ただ批判や炎上させるのは、

自分の無知を露呈するだけだ。




-ニュース, 小説, 文学, 知識
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

『コンビニ人間』村田沙耶香 この芥川賞受賞作を読みながら考えるべき自分への「問い」

第155回芥川賞受賞作 『コンビニ人間』著:村田沙耶香 コンビニ人間 posted with ヨメレバ 村田 沙耶香 文藝春秋 2016-07-27 Amazon Kindle 楽天ブックス 36歳未 …

『バカの壁』を超える養老孟司のおススメ本一挙紹介!名越康文との対談本『「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質』出版!!

養老孟司 養老 孟司(ようろう たけし、1937年(昭和12年)11月11日 – ) 日本の解剖学者。 神奈川県鎌倉市出身。 東京大学名誉教授。 『バカの壁』 2003年に出版された『バカ …

文章力をつけるためには、コピーライターに学べ。『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 』

文章の書き方を何に学ぶか 学ぶは真似る。 名文と呼ばれる文章に多く触れれば触れるほど、 文章力は向上していくだろう。 読書家に名文家が多いのは言わずと知れた事実である。 中でも一番手取り早く、 文章の …

アマゾンプライム会員で前田司郎の小説、映画、脚本など様々な世界観を堪能する!

Amazon Prime アマゾンで物を買い、 アマゾンで本を読み、 アマゾンで音楽を聴き、 アマゾンで映画を観る。 娯楽のすべてを網羅できるアマゾンプライム。 いま、大活躍の作家がいる。 &nbsp …

【おすすめ読書スポット】東高円寺「喫茶生活」。

「喫茶生活」 東高円寺、ニコニコ商店街のなかに佇む喫茶店。 店内にはジャズのレコードが流れている。 駅から徒歩3分程度の距離にあり、 読書に最適な空間。 ポイント①「こだわりのコーヒー」 産地別に別れ …