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梨木香歩『西の魔女が死んだ』感想・書評。映画化もされた児童文学の名作。

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梨木香歩とは?

梨木 香歩(なしき かほ、1959年 – )

日本の児童文学作家、絵本作家、小説家。
鹿児島県出身。同志社大学卒業。

イギリスに留学し、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事する。

愛読者の1つは、

ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』を愛読書。

新潮社より刊行されたガルシア=マルケス全小説の『百年の孤独』の解説を担当した。

 

『西の魔女が死んだ』

内容(「BOOK」データベースより)

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

<第44回小学館文学賞受賞>
<児童文学者協会新人賞受賞>
<新美南吉文学賞受賞>

書評

「西の魔女は死んだ。」

一行目の文章でもあり、タイトルでもある。

この文章に向かってストーリーが進んでいく。

けれど、それは終わりではなく、過程。

主人公は13才の少女。

学校には行かず、

おばあちゃんが暮らす自然豊かな土地で、

生活をともにする。

そのなかで学んでいく

人としての在り方。

それは決して洗練された都市空間や学校では

学び得ないものばかり。

「西の魔女」という言葉から、

エンターテイメント性の高い作品かと思っていた。

けれど、読んでみると、

この小説には考えさせられることがたくさんあった。

流石は、梨木香歩さんの小説。

稀代の児童文学作家として、

簡単な言葉で、深いところまで人間というものを示していく。




映画化

この作品は映画化もされ、

映画もまた好評であった。

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