オススメ品 文学 知識

「タバコをやめる方法」禁煙は安部公房『死に急ぐ鯨たち』から学べ!

投稿日:





加熱式タバコのブーム

iQOS、プルームテックなど、

新しいタバコのブームは、

愛煙家の肩身の狭い思いがあってからこそのものだ。

受動喫煙問題や飲食店の全席禁煙化。

こうした嫌煙家の勢いは止まらない。

最近読んでいた本に意外な人が禁煙について書いていた。

安部公房の「タバコ論」

 

一般には薬物中毒の一種とされる喫煙。

しかし安部公房は、

アルコールとタバコの違いを明確に記している。

アルコールには禁断症状はないが、タバコにはない。

夜中に跳ね起きて冷蔵庫から酒を取り出すことは、まま聞くが、熟睡中に目を覚ましてまで喫煙する人はいない。

そしてタバコは、アルコールのように人格障害を引き起こすことはない。

安部公房によると、喫煙は、

「時間を変質するこころみ」であり、「爪を噛む習慣」に似ているという。

例: 電話をかける時に、ついタバコに手が伸びてしまう。(=タバコが、自然な対話でない時間の欠損部分を補填する)

つまり、喫煙習慣は心理的なものなのだ。

 

安部公房の「禁煙方法」

①手元にタバコとライターを置き、すぐにでも吸える状態にする。

②タバコを吸いたくなるのを待つ。

③ライターの火をつけ、タバコの先ぎりぎりまで近づける。

④そして考える。今自分はタバコを吸いたいと思っている。しかしもし吸わなかったらなんらかの生理的不都合が生じるだろうか。

⑤3分経過。どこか痛むか?(痛むはずがない)

⑥10分経過。ここまでくれば、もうしめたもの。タバコを吸わなくても平気という感覚を心の底に刻み込む。

⑦また吸いたくなった時は⑥の心理状態を思い出す。

 

タバコが心理と深く関係しているという安部公房の説をうまく活かした禁煙方法である。








-オススメ品, 文学, 知識
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

読書のBGM。本と相性の良い音楽たち。民族音楽、ジャズ、ロック。夢野久作、筒井康隆、絲山秋子、他。

本と音楽 読書の際に、音楽を聴く。 本の世界を邪魔しないもの、 逆に、本の世界に導いてくれるもの。 本と音楽には相性がある。 何で音楽を聴くか   音楽を紹介する前に、 音楽を聴くアイテムと …

文章力をつけるためには、コピーライターに学べ。『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 』

文章の書き方を何に学ぶか 学ぶは真似る。 名文と呼ばれる文章に多く触れれば触れるほど、 文章力は向上していくだろう。 読書家に名文家が多いのは言わずと知れた事実である。 中でも一番手取り早く、 文章の …

立川流は文筆家。家元・談志から弟子まで、オススメ本を紹介。

立川流家元・立川談志 落語を「人間の業の肯定」と定義し、 若くして現代落語論を上梓。 現代落語の第一人者であった立川談志は、 文筆家としても知られている。 また、家元だけでなく、立川流は、 本を多く出 …

文章がうまく書けない悩みに、物書きの必需品『言葉選び実用辞典』

物書きに必要なもの 物を書く上で必要なものは何だろうか。 究極に言えばそれは、紙とペンだけである。 現代で言えば、パソコンがあれば事足りる。 しかしながら、その必要最低限の物だけでは、 自分から出てく …

都甲幸治と町田康が、夏目漱石『吾輩は猫である』を語った対談から、夏目文学を考察する。

夏目漱石『吾輩は猫である』 吾輩は猫である (新潮文庫) posted with ヨメレバ 夏目 漱石 新潮社 2003-06 売り上げランキング : 8340 Amazon Kindle 楽天ブック …