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【書評】芦原すなお『青春デンデケデケデケ』直木賞受賞作。村上春樹との関係。音楽と青春。

投稿日:2017年4月22日 更新日:




芦原すなおとは?

芦原 すなお(あしはら すなお、1949年9月13日 – )は、日本の作家。本名 蔦原 直昭(つたはら なおあき)。香川県観音寺市出身。香川県立観音寺第一高等学校、早稲田大学第一文学部独文科卒業。

芦原すなおと村上春樹の関係

早稲田大学大学院博士課程中退後、帝京短期大学講師を務める傍ら執筆活動を行う。1979年(昭和54年)、大学時代同じクラスだった村上春樹が『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」をとったという記事を新聞で読み、同作品に大きな衝撃を受ける。そして漠然と小説を書きたいとの思いから本腰を入れて書き始める転機となる。

『青春デンデケデケデケ』

●受賞歴●
第105回(平成3年度上半期) 直木賞受賞
第27回(1990年) 文藝賞受賞
●内容(「BOOK」データベースより)●
1965年の春休み、ラジオから流れるベンチャーズのギターがぼくを変えた。“やーっぱりロックでなけらいかん”―。四国の田舎町の高校生たちがくりひろげる抱腹絶倒、元気印の、ロックと友情と恋の物語。青春バンド小説決定版。

1960年代の少年がロックに出会い、恋をし、求めていく姿が描かれている。

初めの出会いはベンチャーズの『パイプライン』。題にもあるように、デンデケデケデケと鳴るエレキギターを聞いた瞬間からバンドを経て大人になっていくまで。

1960年代を知らない世代にも、誰もが感じたことのある青春のあれこれが書かれていて懐かしく愛おしい小説。

「バンド小説」というと色々なものが思い浮かぶが、流石は直木賞受賞作なだけあり、マイベストバンド小説である。

音楽

小説のなかには、様々な楽曲が顔を出す。

ベンチャーズ

 

ビートルズ

 

ローリングストーンズ

方言

この小説にはその舞台である香川県観音寺地方の方言が使われている。

方言を使った小説は数知れないが、達筆すべきは、カッコ書きで標準語が書かれていることだ。

方言をなんとなく読んでいくのではなく、その土地の空気とともに正しく理解しながら読み進めることができる。

まとめ

この小説は、時代背景や舞台からして芦原すなおの自伝的小説であるが、芦原自身は、主人公のようにバンドで演奏していたわけではなく、照明係をしていたとのこと。

だからこそロックやバンドに対する憧れが濃く浮かび上がっているのかも知れない。







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