「文藝賞」とは?
河出書房新社が新人小説家の登竜門として主催している文学賞。
1962年から続く由緒ある文学賞だ。
「文藝賞」は、たえず文学シーンに新しい才能を送りだしてきた。
今回は、そんな「文藝賞」受賞作品を、とことん紹介していきます。
高橋和巳『悲の器』1962年
内容(「BOOK」データベースより)
正木典膳は法学部教授。神経を病んだ妻をもつ彼は、やがて家政婦と関係を持つ。しかし妻の死後、彼は知人の令嬢と婚約し、家政婦から婚約不履行で告訴される。三九歳で早逝した天才作家のデビュー作となった第一回文藝賞受賞作。戦後文学の金字塔!
金鶴泳『凍える口』1966年
内容(「MARC」データベースより)
苦悩する吃音者像を描いた表題作から、北朝鮮のスパイ事件を題材に朝鮮人を取り巻く政治の非情を描いた「郷愁は終り、そしてわれらは-」までの厳選作品を収録。死の直前までの20年間に及ぶ「日記」も掲載。
田中康夫『なんとなく、クリスタル』1980年
内容(「BOOK」データベースより)
大学生でモデルの主人公・由利。バブル経済に沸く直前、一九八〇年の東京を「皮膚感覚」で生きる若い女性たちを描き、八〇年代以降の日本人の精神風土、そして「豊かさ」の終焉までを予見。膨大な「注」に彩られ、精緻で批評的な企みに満ちた、文藝賞受賞作。
山田詠美『ベッドタイムアイズ』1985年
内容(「BOOK」データベースより)
スプーンは私をかわいがるのがとてもうまい。ただし、それは私の体を、であって、心では決してない。日本人の少女と黒人の恋人との出会いと別れを、痛切な抒情と鮮烈な文体で描き、選考委員各氏の激賞をうけ文芸賞を受賞した話題のベストセラー。
芦原すなお『青春デンデケデケデケ』1990年
雨森零『首飾り』1994年
内容(「BOOK」データベースより)
遠い日、はるかな森、ぼくら3人が育てた悲劇。第31回文芸賞受賞作。選考委員、読売新聞(カポーティを連想…)の激賞を浴びた24歳のみずみずしい才能、誕生。
鈴木清剛『ラジオデイズ』1997年
黒田晶『メイド イン ジャパン』2000年
内容(「MARC」データベースより)
この国が産みおとした子どもたちによる、この国にしか起こりえない少年犯罪。リアルで残酷な殺人描写とグルーヴ感あふれるクールな文体に、全選考委員が不快な絶賛をおくった、22歳の戦慄の問題作。第37回文芸賞受賞作。
綿谷りさ『インストール』2001年
内容(「BOOK」データベースより)
学校生活&受験勉強からドロップアウトすることを決めた高校生、朝子。ゴミ捨て場で出会った小学生、かずよしに誘われておんぼろコンピューターでボロもうけを企てるが!?押入れの秘密のコンピューター部屋から覗いた大人の世界を通して、二人の成長を描く第三八回文藝賞受賞作。書き下ろし短篇を併録。
岡田智彦『キッズ・アー・オールライト』2002年
内容(「BOOK」データベースより)
その右手は、手当たり次第に何でも破壊する!やくざの愛人の息子である「オレ」は親父の失脚により組織の闘いに足を踏み入れてしまうのだが…。第39回文芸賞受賞作。
羽田圭介『黒冷水』2003年
内容(「BOOK」データベースより)
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。
山崎ナオコ―ラ『人のセックスを笑うな』2004年
内容紹介
19歳のオレと39歳のユリ。恋とも愛ともつかぬいとしさが、オレを駆り立てた——「思わず嫉妬したくなる程の才能」と選考委員に絶賛された、せつなさ100%の恋愛小説。第四一回文藝賞受賞作。
青山七恵『窓の灯』2005年
内容紹介
大学を辞め、時に取り残されたような喫茶店で働く私。向かいの部屋の窓の中を覗くことが日課の私は、やがて夜の街を徘徊するようになり——夜の闇、窓の灯、ミカド姉さんと男達……ゆるやかな官能を奏でる第42回文藝賞受賞作。
荻世いをら『公園』2006年
内容(「BOOK」データベースより)
公園→新宿→下田→ニューヨーク、そしてグラウンドゼロ。世界の縮図・公園からはじまる、ぼくとオノサの終わりなき移動。第43回文藝賞受賞作。
磯崎憲一郎『肝心の子供』2007年
内容(「BOOK」データベースより)
ブッダ、束縛という名の息子ラーフラ、孫のティッサ・メッテイヤ―人間ブッダから始まる三世代を描いた衝撃のデビュー作「肝心の子供」(文藝賞受賞作)、受賞後第一作にして芥川賞候補作「眼と太陽」に加え、保坂和志氏との記念すべき初対談を収録。
喜多ふあり『けちゃっぷ』2008年
内容紹介
引きこもり女子HIROは全く口をきかないが、人と話す時は携帯から、言いたいことをブログにアップして爆裂トーク。血でもない、ケチャップでもない、「血のり=けちゃっぷ」のようなバーチャルな現代に迫る、驚愕すべき才能の誕生。
大森兄弟『犬はいつも足元にいて』2009年
内容紹介
離婚した父親が残していった黒い犬。僕につきまとう同級生のサダ……やっかいな中学生活を送る僕は時折、犬と秘密の場所に行った。そこには悪臭を放つ得体の知れない肉が埋まっていて!? 文藝賞受賞作。
今村友紀『クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰』2011年
内容紹介
ある日の授業中、突然<それ>はやって来た。遮断された高校、降り続く灰。彼女は意を決し、自宅へと歩き始めるのだが 変わりゆく世界の中の確かな希望を描く、第48回文藝賞受賞作!
谷川直子『おかしくさま』2012年
内容(「BOOK」データベースより)
夫の浮気がきっかけで、専業主婦から金欠バツイチになった49歳のミナミ。ある日ミナミは、おしかくさまという“お金の神様”を信じる女たちと出会う。ATMのお社にお参りし、「無紋のおふだ」を財布に入れて、小金を増やす女たち。やがてミナミは、教祖に会うべく、上野動物園に向かうが!?現代日本のお金信仰を問う文藝賞受賞作。
桜井晴也『世界泥棒』2013年
内容(「BOOK」データベースより)
あいつが世界を盗みつづけた結果、もうほとんど夕暮れしかのこっていないんだよ。放課後の教室、男の子たちが死ぬまで銃で撃ちあう「決闘」…新しい“戦争文学”の誕生!第50回文藝賞受賞作。
李龍徳『死にたくなったら電話して』2014年
内容紹介
「死にたくなったら電話して下さい。いつでも。」
空っぽな日々を送る浪人生・徳山は、ある日バイトの同僚に連れられて十三のキャバクラを訪れる。そこで出会ったナンバーワンキャバ嬢・初美から、携帯番号と謎のメッセージを渡され、猛烈なアプローチを怪しむも、気がつけば、他のことは何もかもどうでもいいほど彼女の虜に。殺人・残酷・猟奇・拷問・残虐……初美が膨大な知識量と記憶力で恍惚と語る「世界の残虐史」を聞きながらの異様なセックスに溺れた徳山は、やがて厭世的な彼女の思考に浸食され、次々と外部との関係を切断していき――。ひとりの男が、死神のような女から無意識に引き出される、破滅への欲望。
全選考委員が絶賛した圧倒的な筆力で、文学と人類に激震をもたらす、現代の「心中もの」登場! 第51回文藝賞受賞作。
山下紘加『ドール』2015年
内容(「BOOK」データベースより)
僕はユリカを愛していたんです。愛なんです。先生とか、クラスの連中には、わからない愛。僕は真剣でした。真剣なことを、気持ち悪いなんて言わないで欲しい。時代を超えて蠢く少年の「闇」と「性」への衝動。第52回文藝賞受賞作。
町屋良平『青が破れる』2016年
内容紹介
藤沢周氏、保坂和志氏、町田康氏大絶賛───新たなる青春小説の誕生を告げる、第53回 文藝賞受賞作!
いかがでしたか?
数多くある作品のなかから、
私が読んだ作品をピックアップしました。
なぜ、今、文藝賞について書いたのか。
それは、3月31日が応募〆切だからです!!!!!