茂木健一郎
日本で最も有名な脳科学者なのではないか。
いま、彼のツイッターでの発言が物議を醸している。
Twitter茂木健一郎 (@kenichiromogi)
日本の芸人を世界レベルでみて「終わっている」とツイートしたのだ。
例えばこのように。
「上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無」
「日本の『お笑い芸人』のメジャーだとか、大物とか言われている人たちは、国際水準のコメディアンとはかけ離れているし、本当に『終わっている』」
これを受けて、芸人側は、反論している。
爆笑問題は、
「日本のお笑いの方がよっぽど多様性があります」と主張。
ピコ太郎などを例に挙げ、
「何の意味もないのに世界中が大笑いするじゃないですか」
とラジオで発言。
ナンセンスな日本のお笑いが受けるのは、
それをナンセンスだと理解できる受け手がいるから。
そういったものを理解できること自体、
日本人のお笑いレベルは高い。
といったような意味で、こう反論した。
「あんなものはナンセンスですけど、あれは結局ね、局部を映しちゃいけないっていう放送を茶化してるわけですよ。ゴールデンのど真ん中で、ちんちん映るか映らないかってやって、みんなでゲラゲラ笑ってるんだよ。それは日本人の客のレベルが高いってことなんですよ」
松本人志氏は、
「茂木さんが全然面白くないから。笑いのセンスがまったくないから、この人に言われても『刺さらなねぇぜー』って感じ。ムカッともこない」
「風刺とか、我ら下から上の人たちに向けてなんか言うって、笑いの取り方として一番安易で、すごい簡単なことで、別にそれは誰でもできるんですけど、日本の芸人はあんまりやらないだけで、そこを言われてもなぁ」
とセンスがないと批判。
この反論を受けて、茂木氏は、
「お笑い界を応援したい」という気持ちからの発言だったと説明した。
また、こうも言う。
「お笑いは世界規模で行われていて、そろそろ日本のお笑いも変わらないともったいない。今回の発言を芸人さんがどういう風に受け止めてくれるかが楽しみだった」
茂木氏は、芸人にある意味「質問」として発言したのだ。
「質問」に関して、茂木氏は本を書いている。
今回の「質問」は、どういった考えのもと行われたのか?
この本にこそその真の理由が隠されている。
「質問は脳を活性化させるだけでなく、
目の前にあるさまざまな問題を解決に導いてくれる」
と茂木氏は書いている。
質問とは「どうしたら今よりよくなるか?」の問いだという。
そして人類は自分たちの文化や生活を発展させ、進化させてきた。
しかしながら、そんな大きな力を秘めているのに、
日本人は質問をするのが下手。
「こんな質問をしたら、バカだと思われる」
「こういう質問したら、笑われてしまう」
と、むしろ、怖がっている。
というのだ。
日本のお笑いを批判したのではない、という茂木氏にとって、
今回の騒動の発端となった発言は、
お笑い好きの彼が、
「どうしたら今よりよくなるか?」
ということを考えたことで生じたのかもしれない。