オススメ品 落語

中野翠と落語。『今夜も落語とで眠りたい』から、落語の魅力を再考する。

投稿日:





中野翠

中野 翠(なかの みどり、本名非公開、女性、1946年7月21日 – )

埼玉県浦和市(現・さいたま市)出身のコラムニスト、エッセイスト。

社会・事件に関する批評のほか、映画や本、落語に関する文章で知られる。

中野翠と落語

中野翠は、落語との出会いを、

まるで恋人と出会ったかのように語る。

彼女には落語関係の書籍がたくさんあるが、

こんかいは、こちらを紹介する。

『今夜も落語で眠りたい』

内容(「BOOK」データベースより)

落語は笑いとともに、江戸明治の日本が生んだ「幻の町」に連れて行ってくれる。「落語こそ日本文化最大最高の遺産」と言い切る著者による、寝る前に愉しむ、心地よくて贅沢な落語入門。

 

例えばこの本の中に、こんな文章がある。

(江戸時代から続く落語にたいして、)

「日本って、すごく文化的な庶民がいた国だったんだなあ」

この文章を過去形のまま終わらしてはならない。

最近、また「落語ブーム」が到来しているといわれている。

身体ひとつ、いや、上半身ひとつで、

いくつもの役柄を演じ分け、

風景さえも映し出す。

こんな文化が他にあるだろうか。

中野翠の落語遍歴

彼女はまず、

桂文楽から落語に親しんだという。

桂文楽といえば、古今亭志ん生と並んで評される、

古典落語の名人だ。





この二人の違いについて、

彼女は、いくつもの言葉を並べる。

文楽…キッチリとした端正な芸風。

志ん生…ぞろっぺえで奔放な芸風。

といったように。

この二人の名人は、ことあるごとに、

比較される。

それは、あまりにも芸風が対照的だからだ。

その後、彼女は、

志ん朝を聴くようになる。

寄席で見たことのある落語家で、

彼女が最も敬愛しているのが、志ん朝だ。

志ん朝の東京弁に、彼女はほとんど恋をしている。

その後、この本では、

あまたの名人と評される落語家と、

数ある落語の題目に対して、思いをつづっていく。

落語を好きな人に限らず、

落語を知りたいという初心者にとっても良書である。





落語と中野翠

彼女には、他にもたくさんの落語についての本がある。

最後にオススメの本を紹介して、まとめとする。

『この世は落語』

 

内容(「BOOK」データベースより)

ノンキで愚かで愛すべきひとびとが登場する落語54作品の魅力を愛情溢れる筆致で語り尽くす。30年来の「落語ファン」である著者による最良の落語案内。登場人物を著者自身が描いたイラスト多数。

これまた、落語初心者にもおすすめな一冊。

今回紹介した二冊を読んでしまえば、

あなたもきっと落語の虜となるだろう。

-オススメ品, 落語
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

遠藤周作は『沈黙』だけではもったいない。小説だけではなく、エッセイにこそ彼の魅力が詰まっている。

遠藤周作とは? 遠藤 周作(えんどう しゅうさく、1923年(大正12年)3月27日 – 1996年(平成8年)9月29日)。 日本の小説家。随筆や文芸評論や戯曲も手がけた。 代表作は、 …

電車通勤・通学にオススメな、さくっと読める短編小説案内

電車と本 電車で通勤・通学している間、なにをしていますか? 一昔前まで、電車での時間つぶしの王道は「読書」であった。 しかし最近電車に乗ると、 スマホでニュースを読んでいたり、ゲームをしていたり、と …

【酒と小説】お酒を片手に読むべき、おすすめ本

飲酒読書 読書は飲酒していても罪にならない。 たとえそれが、ドライブの話でも、仕事の話でも、 酒を飲みながらにして、物語に入っていける。 自分自身をどのような状態にして、本と向き合うか。 これは殆ど実 …

私が一切ミネラルウォーターを買わなくなった理由

水を買う生活 暑くなる季節、ミネラルウォーターを買う頻度も増えていた。 どうせ買うのであれば、少しでも安いもので節約しようと考え、見つけたのがこの商品。   クリスタルガイザー 48本 クリ …

読書のBGM。本と相性の良い音楽たち。民族音楽、ジャズ、ロック。夢野久作、筒井康隆、絲山秋子、他。

本と音楽 読書の際に、音楽を聴く。 本の世界を邪魔しないもの、 逆に、本の世界に導いてくれるもの。 本と音楽には相性がある。 何で音楽を聴くか   音楽を紹介する前に、 音楽を聴くアイテムと …