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漫画『昭和元禄落語心中』(著:雲田はるこ)が現代に生まれたワケと歴史

投稿日:2017年4月30日 更新日:




『昭和元禄落語心中』とは?

内容紹介

満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎(よたろう)。娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。昭和最後の大名人・八雲(やくも)がムショで演った「死神」が忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに……!? 昭和元禄落語心中・与太郎放浪篇、いざ幕開け!!

落語ブーム到来!!落語の歴史と現在

今、落語ブームが起きていることをご存じだろうか。

寄席に人が集まり、なかには女子高生の姿も多いというのである。実際に寄席に行ってみると、女子高生だけなく、確かに若い人たちの姿も良く目にするようになった。

かつて、現代落語の第一人者・立川談志は、

このまま行くと落語が能や狂言と同じ道を辿るのは確かなようである

という言葉で、落語の危機を表した。

確かに落語はついこの間まで古臭い、老人向けの娯楽というイメージだったような気がする。

ではなぜ落語が再興してきたのであろうか?

私が思うにそれは、落語が最強の表現、つまりは、全ての詰まった表現だからである。

落語は一人の演者によって、人、風景、歴史など全てを表現できる。

表現者として落語家の右に出るものはない。

 

『昭和元禄落語心中』が現代に生まれたワケ

だんだんと落語に関心が集まりだした頃、

『昭和元禄落語心中』の登場で、その勢いは加速した。

どうして『昭和元禄落語心中』の著者・雲田はるこは、

このマンガを書こうと思ったのだろうか。どうしてこのマンガが現代において生まれたのだろうか。

なにかのインタビューか何かで聞いた話によると、著者はこのマンガを書く前まで落語を殆ど知らなかったという。

しかしある日、著者はふと落語を見に行き、衝撃を受け、マンガで表現するに至ったのだという。

私には落語をマンガで表現すると言うこと自体が、現代を象徴しているように思える。

マンガで落語を表現すること

マンガは若い世代にとって最も身近な文化の一つである。

その文化の上で、日本の伝統的な文化を描いている。

『昭和元禄落語心中』によって落語に関心を寄せる若者が増えたことは、マンガという文化が、落語という文化を再興したとも考えられる。

肝心なマンガの内容もまた、落語という文化をいかに継承していくかという点に重点が置かれている。

そこには名人の世代交代が描かれている。

継承していかなければ衰退する文化を、続けていく人たちの想いが描かれている。

人それぞれであるが皆、落語を愛している。

物語とは関係のないページに著者による落語の解説や楽しみ方が書かれていることも、このマンガが人気の理由の一つかもしれない。

『昭和元禄落語心中』によって、間違いなく、落語を知らない世代の落語を鑑賞することに対するハードルは下がっただろう。

 

 

アニメ化

『昭和元禄落語心中』はアニメ化もされた。

これもまた若い世代を含め、人気を博している。

マンガ・アニメという文化が、落語を描くのは、当然の成り行きなのかもしれない。

落語。

この全てを表現する最強の文化の継承は、現代において、他の文化を巻き込んでいる。

それほどまでに落語には魅力があり、他の文化のルーツとなる力が今もなお、漲っているのだろう。

 

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