小説 文学 音楽

2017年ベスト小説⁉︎ 坂口恭平『けものになること』 まるで音楽。読む麻薬。

投稿日:2017年3月11日 更新日:





建築家、作家、絵描き、踊り手、歌い手・・・

様々な肩書を持ち、

現代日本で最も異彩を放つ男。

坂口恭平。

彼ほどまでに自分らしい生き方を模索し、

実行している人はいるだろうか。

その実行力は学生時代からのものであったらしい。

卒論は、路上生活者の家を建築学的に調査したレポート。

フィールドワークで路上生活者と話していく内に、

いかに生きるのが本当に幸せなのかが分かっていったという。

さらに彼は、新政府を立ち上げたりなんかもする。

(この辺は、『0円ハウス』『独立国家のつくりかた』などに詳しい)

今回、そんな彼が、おそろしい本を書き上げた。

『けものになること』

あのドゥルーズ&ガタリの

『千のプラトー』の第10章を、

ドゥルーズに憑依した彼が書きかえる。

いったん本を開けば、

流れていく文字。

音楽のようなリズム。

ダンスのような躍動感。

文字が齎す快感。

この本はまるで麻薬である。

ドゥルーズになった「おれ」を体感するのは快感である。

2017年、早速最高な本に出会ってしまった。。。感謝。





-小説, 文学, 音楽
-,

執筆者:


関連記事

『現代世界の十大小説』池澤夏樹 いま読むべき世界文学10選

池澤夏樹とは? 池澤 夏樹(いけざわ なつき、1945年7月7日 – )は、 日本の小説家、詩人。翻訳、書評も手がける。日本芸術院会員。 文明や日本についての考察を基調にした小説や随筆を発 …

石井裕也監督の新作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』のレビュー。最果タヒの詩の世界が映画化された奇跡を見逃すな!高橋源一郎が寄せたコメントとは?

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』 今、文学界にも映画界にも激震が走っている。 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が公開されたからだ。 主演は、池松壮亮と石橋静河。 『映画 夜空はいつでも …

『こころの処方箋』河合隼雄の著作、名言から、生きる秘策を学ぶ。

河合隼雄『こころの処方箋』 河合隼雄とは? ●1928年、兵庫県生まれ。 ●京都大学数学科卒業後、スイスの「ユング研究所」に留学。 ●京大名誉教授。 ●「国際日本文化研究センター」所長。 ●日本におけ …

2017年ノーベル文学賞をカズオ・イシグロ氏が受賞。『日の名残り』などオススメ小説を紹介。

ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏! 今年のノーベル文学賞に、 日系イギリス人のカズオ・イシグロ氏が選ばれた。 村上春樹がノミネートされたり、 近年ではボブディランが受賞するなどして、 話題となった文 …

絲山秋子とロック ― 小説と音楽の融合(ビート・ジェネレーション、Theピーズ・・・)

絲山秋子とは? ≪略歴≫ 東京都世田谷区出身。 東京都立新宿高等学校、早稲田大学政治経済学部経済学科卒。 卒業後INAXに入社。営業職として数度の転勤を経験。 1998年に躁鬱病を患い休職、入院。 入 …