詩ってなに?
文学好きなら、詩の魅力にはまり込んだ経験があるだろう。
しかし、「良い詩」というものにはなかなか出会えない。
そもそも良い詩と悪い詩の区別が難しい。
詩の魅力は理解しようとすればするほどわからなくなる。
詩には詩の味わい方がある。
それを知ることで、より深く詩の世界を楽しむことができる。
茨木のり子『詩のこころを読む』 (岩波ジュニア新書)
内容(「BOOK」データベースより)
いい詩には、人の心を解き放ってくれる力があります。また、生きとし生けるものへのいとおしみの感情をやさしく誘いだしてもくれます。この本では、長いあいだ詩を書き、多くの詩を読んできた著者が、心を豊かにしつづけている詩の中から、忘れがたい数々を選びだし、その魅力を情熱をこめて語ります。
今回おすすめするのはこの本。
岩波ジュニア新書の一冊だ。
この「岩波ジュニア新書」、
ジュニアと名がつくため、子ども向けの書籍だと思われることがあるが、とんでもない。
大人こそ楽しめる本がたくさんあるのだ。
著者・茨木のり子
著者自身が詩人である。
それも戦後最大の女流詩人と呼ばれる「詩」の第一人者。
テーマ別に詩が紹介される
誕生、成長、恋、苦難、死など、
人生のすべてを網羅したようなテーマごとに詩が紹介されていく。
自身がたくさんの詩をつくり、たくさんの詩を読んできた。
そう語る彼女が選んだ詩の数々。
「私を幾重にも豊かにしつづけてくれた詩よ、出てこい!」
と呪文をかけたとき、まっさきに浮かび上がってきた詩たちであるという。
そしてその並び順は、
誕生から死まで、偶然にもそうした人生のスタートからゴールまでを繋ぐ順番になったという。
いわば、それぞれのテーマごとに、
最上級の詩を詩人の「検証」つきで楽しめる詩のアンソロジーなのだ。
ひとつひとつ丁寧に説明されているため、