江戸川乱歩賞とは?
江戸川乱歩賞(えどがわらんぽしょう、通称:乱歩賞、英称:Edogawa Ranpo Award)は、1954年、江戸川乱歩の寄付を基金として、日本推理作家協会(旧:日本探偵作家クラブ)により、探偵小説を奨励するために制定された文学賞。
●現在の選考委員●
有栖川有栖・池井戸潤・今野敏・辻村深月・湊かなえ
平成29年度の受賞作
講談社が結果について発表した。
今回の江戸川乱歩賞応募作品は三百二十六編に達し、百編が第一次予選を通過、さらに 第二次予選で二十二編が選ばれ、最終候補作五編について慎重に審議をした結果、受賞作 なしという判断に至りました。
残念ながら今回は「受賞作なし」となったが、その分、いかに江戸川乱歩賞の選考が慎重に行われていることが分かる。
過去の受賞作はどれもおもしろいものばかりだ。
そんなわけで、今回は受賞作のなかでもおすすめの本を紹介する。
『探偵小説辞典』中島 河太郎
内容紹介
江戸川乱歩、横溝正史、クイーン、クリスティらの内外作家紹介。『心理試験』『緋色の研究』『オランダ靴の秘密』などの名作案内。ミステリへのかぎりない愛情と作家への敬意、蘊蓄(うんちく)のありったけをかたむけた項目別大辞典。
第2回受賞「『ポケットミステリ』の出版」については目録を所収。
『放課後』東野圭吾
内容紹介
校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。先生を2人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将――犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第2の殺人が……。乱歩賞受賞の青春推理。
『13階段』高野和明
内容紹介
宮部みゆき氏絶賛!!!
手強い商売仇を送り出してしまったものです。――(本書解説より)
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。
『翳りゆく夏』赤井 三尋
内容紹介
20年前の誘拐事件に“封印されていた真実”
過去と現在、親と子、罪と罰……。
さまざまな要素が複雑に絡み合う、社会派ミステリーの傑作。
「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。週刊誌のスクープ記事をきっかけに、大手新聞社が、20年前の新生児誘拐事件の再調査を開始する。社命を受けた窓際社員の梶は、犯人の周辺、被害者、当時の担当刑事や病院関係者への取材を重ね、ついに“封印されていた真実”をつきとめる。
第49回江戸川乱歩賞受賞作
細部の描写に実話以上のリアリティがあり、登場人物の一人一人に温かい血が通っていて、しかも事件と謎のブレンドが絶妙なので、読者はいつしか濃密な物語空間に引き込まれ、そこで主人公とともにスリリングな作中時間を生きることになる。そして数時間後、夢さめてふたたび現実へ帰還したとき、自分がひとまわり大きくなったように感じる。それは作中で「もう1つの人生」を生きてしまったからにほかならない。――郷原宏「解説」より
『再会』横関大
内容紹介
殺人事件に使われた拳銃。在処を知っていたのは幼なじみの四人だけ。嘘を吐いているのは、誰?
小学校卒業の直前、悲しい記憶とともに拳銃をタイムカプセルに封じ込めた幼なじみ四人組。23年後、各々の道を歩んでいた彼らはある殺人事件をきっかけに再会する。わかっていることは一つだけ。四人の中に、拳銃を掘り出した人間がいる。繋がった過去と現在の事件の真相とは。<第56回江戸川乱歩賞受賞作>